日本を創った12人、二人目は「光源氏」です。
光源氏は日本人の誰もが知る「源氏物語」に登場する架空の人物です。しかし光源氏ほど平安貴族や貴族政治家をリアルに描かれている人物はありません。そして光源氏は現代の日本人にも大きな影響を与えています。それは「上品」という概念です。
「太政大臣であった光源氏はただただ美意識の世界に耽溺していた。和歌や服装、儀式における振舞いや席次などの議論が多い。そして女性関係をめぐる恋と争い。-不思議なことに、この光源氏に関しては、政を治めない太政大臣でありながら、いやらしいところがないし、無能感も感じない。-そしてそれが日本の貴族像、さらには"上品"の概念の原点になった。-日本でいう"上品な人"とはまさに光源氏。あまり指導力は出さない、喧嘩や体力は弱い、荒野で生きる耐久力やサバイバル能力は低い。もっぱら美意識と詩歌の世界に埋没し、他人を不快にしない社交術を心得ている、塩っ気も油っ気も足りない人のことだ。」
ヨーロッパの貴族社会では、「上品」つまり「ノーブル」の前提となる条件は「克己心と用心深さ」だそうです。ヨーロッパの貴族とは戦争を勝ち抜いてきた戦士の子孫であるため、喧嘩は強いし体格もよい、自ら意思決定もするし、環境にも適用できる、そういったイメージがあるのです。中国などでは「上品」の絶対条件は「知恵」と「知識」である主知主義です。これは高級官僚登用試験「科挙」が影響しているといわれます。
一方日本の政治や企業においては今もなお光源氏型の「人柄満点、能力零点」の「上品」な人々がトップになることが多く、強力なリーダーシップを発揮する「出る杭」的な人物は世間から引き摺り下ろされる傾向があります。⇒Blog Ranking
光源氏は日本人の誰もが知る「源氏物語」に登場する架空の人物です。しかし光源氏ほど平安貴族や貴族政治家をリアルに描かれている人物はありません。そして光源氏は現代の日本人にも大きな影響を与えています。それは「上品」という概念です。
「太政大臣であった光源氏はただただ美意識の世界に耽溺していた。和歌や服装、儀式における振舞いや席次などの議論が多い。そして女性関係をめぐる恋と争い。-不思議なことに、この光源氏に関しては、政を治めない太政大臣でありながら、いやらしいところがないし、無能感も感じない。-そしてそれが日本の貴族像、さらには"上品"の概念の原点になった。-日本でいう"上品な人"とはまさに光源氏。あまり指導力は出さない、喧嘩や体力は弱い、荒野で生きる耐久力やサバイバル能力は低い。もっぱら美意識と詩歌の世界に埋没し、他人を不快にしない社交術を心得ている、塩っ気も油っ気も足りない人のことだ。」
ヨーロッパの貴族社会では、「上品」つまり「ノーブル」の前提となる条件は「克己心と用心深さ」だそうです。ヨーロッパの貴族とは戦争を勝ち抜いてきた戦士の子孫であるため、喧嘩は強いし体格もよい、自ら意思決定もするし、環境にも適用できる、そういったイメージがあるのです。中国などでは「上品」の絶対条件は「知恵」と「知識」である主知主義です。これは高級官僚登用試験「科挙」が影響しているといわれます。
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